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今週の「稚譚・奇譚・恥譚」(2022年2月6日~2月12日)

●新型コロナウイルス感染症対策のフェーズが転換期を迎えようとしている。今月中にもオミクロン株のピークアウトに達するのか否かの正念場だ。
▲いつもながら、ウイルス感染症の場合、その終息には「集団免疫」と「治療法」獲得の寄与が大きい。「集団免疫」はワクチン接種であり、究極は自然感染による。治療は「抗ウイルス薬」の登場である。
▲私の信頼する「週刊文春2月10日号」によれば、
・昨年後半の第五波における重症化率が1.0%であったのに対し、12月17日以降の六波では0.05%であり、20分の1にとどまっている(大阪府新型コロナウイルス対策本部会議)。
・この傾向を50歳代以下に限定すると、第五波の重症化率0.7%に対し、第六波では0.01%。1月23日までの陽性者53,963中、重症者は7人。死亡者は1人のみ(0.001%)(同上)。
・1月25日までの東京都の新規陽性者は、7日間平均で9,675人で、うち重症者は14人(重症化率0.14%)(厚生省アドバイザーリポートへの提出資料)。
・都内の70歳以上の重症化率は1.7%。60代は0.5%、50代は0.2%(同上)。※60代は50代よりも2倍以上重症化しやすい。70代以上の重症化率は50代の8倍以上。
・東京都公表の12月16日以降の70代以上の致死率は0.22%。70代以上の季節性インフルエンザの致死率0.03%の7倍。(しかしこの数字は全部がオミクロン株ではなく、デルタ株も含む)。
・以上、高齢者にとっての新型コロナウイルス・オミクロン株は季節性インフルエンザウイルスよりも脅威である。それゆえに早期の3回目ブースターショットが叫ばれているのだが・・・・・・
・ブースター接種の有効性に対する「コロナ感染先進国」である英国の保健安全保障庁は、「65歳以上では、ブースター接種から3か月後にはオミクロン株の軽い症状を防ぐ効果は約30%に落ちるが、重症化を防ぐ効果は90%と高く維持される」と発表。
・80歳以上に限っては、3回目のワクチン接種後の感染者48,207人中、陽性判明後28日以内の死亡者数は1,256人(死亡率約3%)で、2回目接種の場合の死亡率である約13%に比べ、著しく低い。70歳代の場合にはこの致死率が0.4%まで顕著に下がる。ワクチン未接種の80代以上の致死率は約23%とかなり高い。
ファイザー製もモデルナ製コロナワクチンも2回目接種後20週目からオミクロン株に対する発症予防効果は約10%まで低下する。
高齢者の死者のうち既往症が「特になし」の人の割合が16.8%であった(英国国家統計局)。持病が無くても高齢者はハイリスクなのだ。
2月9日。

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