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「田」(田の字)の蔵様外観

そもそも蔵は、貴重な物品を火災や盗難などから守るために考えられた建物です。壁は、厚く頑丈で、延焼を防ぐためにも母屋とは離れている場合が多く、かつ燃えにくい材料の漆喰で塗られています。壁塗りの作業は、左官職人の手によりますが、左官職人は主に鏝を使って塗ることから、下の写真のような蔵飾りのことを鏝絵(こてえ)ともよびます。

絵のモチーフは家紋などが主ですが、「田」の鏝絵は「波千鳥」と葛飾北斎の版画を融合させたデザインにしました。波千鳥は、夫婦円満や家内安全の縁起の良い紋様です。それに北斎の富士が遠い背景に位置しています。最強の縁起紋様ということです。流石に「田」の鏝絵は漆喰ではありません。合成の新素材にコンピューターが描いたものです。

蔵といえば、もう一つの特徴が海鼠壁です。海鼠壁は本来、瓦の上に漆喰を塗り、風雨や湿気、火災などから蔵を守るものです。日本が世界に誇れる技のひとつですが、今はそのような左官職人も多くありませんし、そもそも需要が限られています。

「田」の海鼠壁は、タイル工法といって、陶磁器(焼物)で本来の瓦や漆喰の代用をしています。国内での製造会社は限られており、「田」の海鼠壁の商品は、岐阜県中津川市の会社から取り寄せたものです(現場仕様)。プラスチック製などと違って質量感バッチリです。ついでながら海鼠壁は、江戸時代初期の武家屋敷や築城にはじまり、その後、蔵や塀として庶民に広まりました。

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