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宮崎空港の藤城清治展を鑑賞して

用あって宮崎空港へ。
影絵の画伯、藤城清治翁の展示を鑑ましたが、月初にも訪問したので実は2回目。
版画には、木版画(浮世絵・棟方志功・草間彌生)やリトグラフ(石版画)、シルクスクリーンなどがありますが、最近の印刷技術の革新的進歩により、レフグラフやオフセットリトグラフ、今回のジクレー・リトグラフ(デジタルのジェットインク印刷)といった目新しい単語も散見されるようになりました。
ジクレー(Giclee)とは、フランス語で「(インクを)スプレーする」の意。
従来の版画(狭義のリトグラフ)には、edition(edi.)ナンバーがあり総数がわかるのですが、今回の展示品はその多くがedi.noは無く(オープンエディション)刻印(エンボスemboss)が打たれていました。コンピュータとインクジェットのコラボにより数知れずの印刷が可能で、言わずもがな、数知れずの持主が生まれることなります。
この世に一枚しか存在しない原画(本画)の価値が高いのは言うまでもありませんが、所謂複製品の上記版画の類にもある程度の価値はあります。その訳は、複製の数が限定されているからです。しかしエンボスが打ってあるとはいえ、エディションナンバーが無いとなると譚は違ってきます。
オープンエディションとなると、単純には上質紙の高画質写真の大量焼付🤢であります。百寿の影絵画伯、藤城翁への美術界の反響は如何なるものとなるのでしょうか?幸い、原画と版画の質感には雲泥の差があります。対象から少し下がって鑑賞してみれば、一目瞭然です。この意味において今後、原画の価値がさらに高まることも予想されます。われわれ画廊店主にとっての藤城翁の試みは、かえって喜ばしいことやもしれません。🔴は、言わずと知れた「売約済み」です。

ついでながら写真の上段左と中央は、空港ビル(1992年完成)西側(駐車場側)のステンドグラス、「花・トロピカル」(1995年)です。作者は、ステンドグラス工芸家の高見俊雄氏です。
色をいれないポインセチア、ハイビスカス、カトレア、そしてブーゲンビリアが描かれています。(宮崎空港ビル談話・電話で教えてもらいました)。
「神話のステンドグラス」に負けずとも劣らない作品です。
「神話のステンドグラス」のように細微すぎず抽象画的なのが良いですね。
(インスタグラムより移動)

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