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「ねじれ現象」で「ねじれ」が解ける時が”宮崎のチャンス”。

  小生のもとにも「ねんきん特別便」が到着した。「田原」の読み方が「たばる」の他に「たはる」、「たはら」、「たばら」、「たわら」といくつかあるため、「特別便」は期待に違わず来てくれた。大学を辞めて半年間勤務したところが見事に抜けていた。電話に出た社会保険事務所の担当者に少々愚痴ってやった。「アルバイトにキーを打たせたからしょうがないよね。」、「職員は日に5000キー以上は打たないように、組合と取り決めていたんだからね。」、「今まで払ったのを全額返してくれないかねェー。飲み食いでいっぺんに使うよ。みんなそうしたら、それで一気に景気が回復するかもしれないよ。」、「消費税でもいいから、老後の最低限の生活は目的税でやってくれ。」・・・・・などなど。

  小生は車にあまり興味がない。走ればよし。多分にこの20年間は車を洗ったことも拭いたことも、ガソリンスタンドに洗車にもって行ったこともない。日曜日の1日しか休日の無かった一昔前、午前中や午後の半日を庭先での車洗い、ワックス掛けに潰すオヤジを見ると、ある種の哀しさを覚えた。道路特定財源やガソリンの暫定税率の一部はどういう呼称であれ、全国の道路建設や整備、除雪や台風、地震災害による道路の復旧には欠かせないものだ。そして、最近では環境税としての側面も重要性を増してきた。「受益者負担税」の面もあるが、車を持たずともトラックや鉄道、船での食料をはじめとした生活物資の輸送でガソリンのお世話になっている。飛行機で旅行するにでも然りである。

  繰り返すが、呼称はともあれ「道路特定財源」と「暫定税率」そのものの考え方が「悪」という国民は少数派であろう。集めた税金が一部の天下り官僚やゼネコン、一部の団体・個人の「甘い汁」の源となっているのに怒っているのである。ずさんな建設計画、大雑把な見積、いい加減な費用対効果の算出、当初の計画の数倍に膨れ上がる建設費の謎、「野球のユニホーム」、「カラオケ」、自腹の積み立てがゼロの「慰安・研修旅行」、熊本の「官製NPO法人」問題、「ミュージカル」や「おもちゃ」などへの出費、などなど・・・・・、ふざけた有様だ。

  「宮崎に高速道路は必要か?」、「東九州自動車道、延岡・熊本自動車道は必要か?」。小生の実家は美郷町南郷区・神門だ。小学校の時分は、日向までバスで行くのに2時間40分かかった。殆どが舗装されていなかった。バスやダンプが遠くに見えれば、道路の脹らみで停車し、しばし待っての交叉であった。多くの乗客が吐物袋の世話になった。当然、自家用車は今みたいに多くはない。今実家に帰るにも、10号線を通り美々津大橋で左折する近道をしても優に2時間以上掛かる。西都からの農免道路があると聞くが、標識などの「道標」が不親切で迷う。いずれにしても確かに不便である。

  しかし、今はDoor to doorの状況で、実家の庭まで完全に舗装が行き届いている。昔に比べたら格段の差で、正しく隔世の感ありである。小学生のころ、村の多くの家は庭まで車が入れなかった。人間贅沢を言ったら限(きり)がない。今は日向まで車で40~50分となり、夢みたいな話だ。高速道路を走ったら、周りの景色が見えない。窓も開けられず、空気も不味い。休憩所や展望所を多く造って、「癒しのロード」も悪くはない。近未来はそういう時代でなくてはなるまい。

  「一つ葉有料道路・北区間」、「宮崎自動車道」、「南延岡有料道路」、「東九州自動車道・清武-西都間」の利用度はどのくらいだろうか。費用対効果や建設前の収益予測を十分にクリアできているのだろうか。前2者は時に利用させてもらうが、ガラガラに近い状態だ。「一つ葉有料道路・北区間」に至っては、花ヶ島の旧10号線や北バイパスがかなり混んでいるにも拘わらずあまり対向車にあわない。これは小生に限ったことかもしれないが、2~3倍も時間が掛かる道路は避けて、早く着いた分だけ目的のことをやりたいと考える。殊に「仕事」となれば、道路料金は安い。「時は金なり」であり、道路などの交通手段は「時間が金で買える」。矛盾することかもしれないが、既存の道路は大いに活用しなくては、ジリ貧になる。

  東九州自動車道は竣工までどのくらいの予算が必要なのだろうか。まだ少なくとも数千億の金が必要なのであろう。そこで小生に愚かな珍案がある。御披露しよう。「宮崎には片側2斜線の新たな高速道路はもう要りません。その代わり建設予算の半分の2000~3000億円を宮崎県に下さい。」、「もちろんその使途に国は口を挟まないで下さい。」という条件で国と交渉しなくてはならない。

  人口は減る一方、非労働人口は増加の一方、経済の成長も先細りになる可能性が高い、などなど・・・、日本を取り巻く将来は暗雲が垂れ込めても不思議ではない。さて、宮崎はこの3000億円で何をするかだ。

 まずは半分の1500億円で既存の道路の拡充整備を図ろう。宮崎-延岡間は10号線以外の農免道路や広域農道などを整備すれば、有料化する必要はない。片側2車線で我慢しなくてはなるまい。その分追い越しのための一部3車線や休憩所を設けなくてはなるまい。10号線の拡張には用地買収に金が掛かりすぎるから、慎重でなくてはなるまい。横断歩道の数は極力押さえ、地下道を充実せねばなるまい・・・・・などなど。
  
  残りの1500億円は宮崎の産業と人材育成のために使われなければならない。農業県宮崎のため、まずは100億円で貨物飛行機を購入しよう。この際、新品だ。宮崎空港に集積された宮崎野菜や鶏、鰻、宮崎牛、・・・・・を直に羽田、大阪に飛行機で運ぶ。飛行機は札幌へも飛び、戻り荷を搭載し、仙台、東京、大阪を経由して宮崎に舞い戻る。上海や台北、ソウルへも吝かではない。鉄道の整備も不可欠だ。当然、高千穂線、妻線の復活もこの基金で行う。ガソリンが一段と値上がりすれば、鉄道貨物が脚光を浴びるのは間違いあるまい。高千穂、五ヶ瀬など県北の高山涼地野菜、西都のピーマン、マンゴウ、タラの芽などが貨物で一斉に空港に集う。朝採れの食材が夜には銀座の店で都会の舌を唸らせる。「ブルー・トレイン」が姿を消した今、夜間や早朝の鉄道利用はそれほど混んでいない。JR九州との連携も必須である。高千穂線、妻線には序でに人も便乗させてもらおう。

  「高速道路がないから救急や高度医療が受けられない。」という意見がある。はたしてそうであろうか。地元に優秀な医師がいれば高速道路は必ずしも必要ではない筈だ。優秀な医師は必ず確保できる・・・養成できる・・・出来ない筈がない。病院の建物という箱物(インフラ)に投資するのではなく、設備や人材教育・養成にカネを投入すべきである。能力のある人材には通常の2~3倍の給料を保証すべきであり、休暇も多めに与え、年数回の学会出張や技術研修も認める。代替スタッフも重要である。そうすれば、後進は自然と立派に育つこと間違いなしである。できれば半民半官的な法人であり、2~3交代性で24時間体制の医療が実施されるべきである。これに民間の開業医が基幹病院の設備とスタッフを自由に活用できるシステムを構築すれば、救急医への負担が軽減され、恒久的救急医療の実践が可能となる。開業医師が「体一つ」か「お気に入りの手術器械」を持参して基幹病院に出向けば良いのである。自分の病院の患者であれば尚更の事である。開業医師の「腕」や「勘」のレベル維持にも多大の貢献となり、相乗効果が生まれ育まれる。「村」単位の病院、住民の日頃のケアや病気の予防と早期発見、健康増進にもソフト的な投資法を模索しなくては、明るい未来は開けない。

  みやざきの未来を真剣に考えたい。

  

  

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