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11月18日(水)-飲酒の善し悪し-その1・ALDH2遺伝子と酒量の関係

 これからの時季は焼酎が美味い。魚介もまだまだ旨い。おでんやしゃぶしゃぶ、牡蠣鍋、アラ鍋、てっちり・・・鍋シーズン到来である。
 肴が旨いと自然と酒がすすむのは古今東西同じであろう。が、気になるのはやはり、肝臓の具合である。呑んだアルコールは20%が胃で、残りの80%が小腸で吸収される。その後腸管膜静脈から門脈を介して肝臓に集積され、酵素によって分解される。まずはアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解され、次いでアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に分解される。この酢酸は全身に送られて筋肉や脂肪組織で二酸化炭素と水に分解され、呼気や尿で体外排泄される
 肝臓で産生されたアルデヒドは、いちどきに酢酸に分解されるわけではなく、肝静脈から心臓を経由して全身を巡り、これが脳に作用して吐き気や頭痛などの悪酔いや二日酔いを招くのである。また、アルコール分解にはミクロソームエタノール酸化酵素(MEOS)が加わる。MEOSはアルコール量が増えると活性化する特性があり、飲酒の頻度が多いと、ある程度は酒が強くなるのはこの酵素による。
 前述のアセトアルデヒド脱水素酵素には2種類があり、ALDH2は体内のアセトアルデヒドが低濃度のときから働き、ALDH1は高濃度になってから働く。問題はこのうちのALDH2である。下戸か酒豪かはこの酵素の遺伝子をホモでもつか、ヘテロであるかに因る。この遺伝子は対立遺伝子で、2本とも弱いホモ欠損型の人(日本人の1割弱)は少量の飲酒で血液のアセトアルデヒド濃度が急激に上昇し、激しいフラッシング反応(顔面紅潮、嘔気、頭痛、眠気)を惹き起こす。1本が弱く1本が強いヘテロ欠損型の人(日本人の3割強)、2本とも強い強いホモ活性型の人の約16分の1の酵素活性しかない為、フラッシング反応が見られ、結局は酒が呑めないか弱いということになる。
 このALDH2遺伝子による酒を飲めない人種はモンゴロイドである日本、韓国、中国人に多いネグロイドやコーカソイドは全ての人が酒を飲める。これは約2万年前に中国で突然変異が起こり、弥生時代の渡来人によって日本に持ち込まれたのであろうと、推測されている。よって渡来人の比率が高い近畿地方では酒の弱い人の比率が高い。地域差が認められ、日本人の場合、総じて、酒の強い人が5割強、酒の弱い人が4割前後、残りが飲めない人種(下戸)である。
 ではでは、酒豪=大酒呑みとはいかなる人種であろうか。もちろんALDH2のホモ活性型遺伝子をもち、度重なる飲酒によってMEOSの活性化が起こりやすい体質であり、体格に比して肝臓の重量が重く(男性が女性に比較して酒呑みであるのは、体重=肝臓の重量に因るとされる=大きい程解毒能(酵素活性)が高い)、アルコールに因って脳細胞の一部が麻痺(=耐性が生じている=アルデヒドに脳細胞が慣れている)している人であると、推測されようか。(④は私見)   

-つづく-

 

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