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昨今の獣医師雇用事情

  小生は修士課程(2年間)積み上げの獣医6年制の第1期生である。当時、とは言っても23年前のことだが、宮崎大学の場合、修了生30人の就職先は県庁などの公務員と牛・馬の大動物(主に共済組合)、それに製薬会社が主で、小動物の動物病院志望は4~5人に過ぎなかった。大学院の博士課程に進学したのは小生だけであった。

  小動物に進んだ中には、中途で大動物関連に転向したものもおり、聞きしに及ぶところでは現在3人のみが小動物の診療にしがみついているようである。男で動物病院を開業しているのは小生ただ一人であるから、淋しいかぎりだ。

  獣医学部がある大学は国立では北大のみ、獣医学科は北から帯広畜産大、岩手大、東大、東京農工大、岐阜大、鳥取大、山口大、宮崎大、鹿児島大がある。私立では酪農学園大、北里大、日本獣医生命科学大学(旧;日本獣医畜産大)、日大、麻布大にあり、公立では大阪府立大にある。定員は国公立が1学年30~50人、私立が100~150人である。毎年約1000人がめでたく獣医師となる。

  我々の学生時代は30人中5~6人が女性であったが、その後女性の比率が急激に増し、今は半数以上が女性である。大学によっては女性が80%を超える学年もある。

  昨今は全体の半数以上の卒業生が伴侶の動物病院に就職する。

  大動物関係が減少している背景には農場(農家)の規模拡大に伴い、手術などの治療主体の診療体系から、飼養を中心とした管理医療に変化したのが主因だろう。製薬関係ではバイオや遺伝子分野の進歩に伴い、その分野に長けた理学や薬学関係の卒業生を採用する傾向にある。イヌなどの生きた動物を扱える(麻酔や簡単な手術が可能)人材の必要性が薄れたのであろう。

  要は、毎年約500人の新米獣医師が伴侶関係の動物病院に就職するのが現状である。平成17年度の獣医師会報告では、国家試験合格者959人中、518名人(うち女性が271名)が小動物(愛玩動物)病院に就職している。しかし、その多くは東京や大阪などの都会に集中している。
  
  中央から田舎の獣医学科に来た学生は6年間という長きに渡る田舎生活に困憊するのだろうか、彼らの多くはユーターンして行く。逆に、地元の大学に進学した学生は親元を離れたいのと、6年間で熟成された都会への羨望に駆られ、見習いと称して一斉に中央へと流れる。ここでも人間の医療界と同じが如き地方の獣医師不足現象が起こっている。

  そんな中、この9月2日東京より、都内の獣医大学6年の男子学生(いわゆる江戸っ子ではないが、生粋の東京人)が面接と実習に來宮した。たばる動物病院のホームページを見てとのことだ。有り難いことだ。彼も日向灘(木崎浜)の波に恋い焦がれてらしい。早くも午前中は夜間病院の宮川先生の薫陶を受けている。獣医師としての器量もサーフィンの技量と並行して上達するものと確信した。そのくらい、中々の好青年だ。10日までの滞在である。4、5回は街に繰り出して酒量(酒の力量)をチェックせねば・・・・。

  スタッフ一同、来春(3月)の国家試験合格を心より祈願しよう。  

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