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今週のつぶやき親仁・2020年6月7日(日)~6月13日(土)

タレント犬『わさお』
▼鰺ヶ沢の「さわお」が鬼籍に入ったとの「ニュース」。鰺ヶ沢町は、津軽富士の岩木山から北北西に直線で15キロもない日本海に面した町で、走る鉄道は五能線であります。広大な津軽平野からならどこからでも岩木山は望めます。わさおが亡くなったのは2020年6月8日です。推定年齢が13歳ですから推定生年は2007年です。わさおが全国的に知れるようになったのは2008年、アルファブロガーでエッセイストでもあるメレ山メレ子氏のブログで紹介されたのが最初です。

二太郎「そういうことはわさおが迷い犬で菊谷節子さんに拾われた時の年齢はゼロ歳か1歳の子犬だったということだね。僕の知るところでは、節子さんが付けた名前はレオ(ライオンに似ていた)だったんじゃないの」

主人先生「そうそう、レオがわさおに改名されたのは、メレ山メレ子氏のブログでレオが『わさわさ』した犬だったから『わさお』として載ったことがきっかけなんだ。それが2008年の春のこと。ちなみに『わさわさ』を辞書で引くと『ざわついているさま。落ち着かないさま。陽気なさま。浮き立つさま』とあるんじゃな。レオがわさおに変わった時のわさおの年齢は1歳か2歳の、犬がいちばん活発でやんちゃな時じゃな。大型犬が落ち着くのは小型犬よりも年数が要るしな。メレ山メレ子氏がわさおに会った時はまさに『わさわさ』の真っ最中だったということじゃ」

二太郎「流石は有名ブロガーだわん。『ざわざわ』ならまだしも『わさわさ』なんて単語、なかなか使わないもんね。とまれレオ改め、わさおの誕生なのじゃわん。わさおになってからの人気は鰻登りじゃわん。2008年7月には日テレで紹介され、同10月には鰺ヶ沢町観光協会がTシャツを販売し、2009年7月には写真集(主婦の友会)が出、同8月には特別住民票が発行され、2010年6月には特別観光大使に任命、そして2011年3月には映画『わさお』が公開されたわん。名実ともにタレント犬じゃわん」

主人先生「そりゃたいしたもんだ。もちろん主演はわさおだが、人間の主演はなんと薬師丸ひろこだからね。押しも押されぬ、今や、原節子そして吉永小百合を受け継ぐ、平成令和の大女優じゃからな。それはそうとな、本題のタレント犬じゃが、わさおは何も悩まし気な名前で売り出したんじゃないからな、念のため。わさおが全国区で受けたのは『ブサかわ』犬としてじゃ」

二太郎「『ブサかわ』って云われてもピンとこないわんが、フグ皮のような、なにかの魚の皮ですか。美味そうな名前じゃないけど」

主人先生「きょうはそうきたか。じゃ教えてやろう。『ブサかわ』とはな、顔は不細工だけど仕草や表情がなんともかわゆいのじゃな。男優で例えるなら、高倉健は顔も演技も非の打ち所がないだろ、『ブサかわ』っていったら、緒形拳でもなし、宇津井健でもないし、やはり彼しかいないのじゃが、ここまでいっても分からんかのお。それはな志村けんじゃ」

二太郎「分かったわん、『ブサかわ』犬を男優で云うなら志村けんってことね。それはそうと、その志村けんとさわおには接点があったと聞いたことがあるわん。わさおは『天才!志村動物園』にたびたび出演していたからね。志村園長とは旧知の間柄じゃんか。ところで園長がコロナで亡くなった後、日を追うごとにわさおが衰弱したそうじゃない?」

主人先生「志村けんの不幸がそれこそわさおにとっての『虫の知らせ』になったのであろうよ。ところで犬のなかで『ブサかわ』の代表ってたらどの犬種か知っとるかい、二太郎君」

二太郎「そりゃ僕だって一端の犬じゃからね、それくらいは知ってますわん。パグに決まっちょろ。あの額と眉間の皺しわとしゃくった顎(アンダーショット)、それに出目にぺちゃ鼻という、これでもかのアンバランス具合、そりゃもう僕ら犬でも自然、にんまり顔になるもんな」

主人先生「世の中なかなかうまくできているもんだよな、二太郎君よ。美人やイケメンだけでは世の中面白くもなんともないし、やはり『ブサかわ』がいてこそいろんな人間模様が繰り広げられるのじゃな。いくら美人を娶ってもすぐに浮気をする芸人も後を絶たないし、美男美女のカップルでも結婚したら直ぐそれからが離婚の秒読みだからな。俗に言う、『美人は3日で飽きる』って云うやつだ。その点、二太郎は顔も歴とした『ブサかわ』だけど、性格は気の利く思いやり犬だな。それに何たって頭が切れるときてるからね」

二太郎「よく言うね、主人さまよ、自分のことは棚に上げておいて。はいはい、分りました、『男は度胸、女は愛嬌』とでも言いたいんでしょ」

主人先生「これまた驚いたね、二太郎君の口から『男は度胸、女は愛嬌』なんて古い文句が出てくるなんて。一言でいえば、そうであるからこそ色んなカップルや夫婦が誕生しているんだな。吾輩にとっても強い味方の格言じゃな。そうそう二太郎君よ、別にタレントじゃなくてもいいじゃないですか、日々、『男は度胸』ってことで『男』を磨いていこうじゃないかい。なになに、お説教はそれくらいにして、何か美味いものをくれって」

二太郎「これだけ譚に付き合ってるんだからね。わさお君はいつも節子おばさんに例の焼き烏賊をもらっていたでしょ。僕も少しだけ炙った一夜干の烏賊が欲しいわん。贅沢は言いません、イボイボの下足2本で構いませんから、わんわんわん」

主人先生「なんじゃと、出来たらそこの生姜醤油を付けてくれと。二太郎よ、お前は近頃、吾輩の焼酎のつまみを喰い過ぎじゃ、こらぁ」

6月11日。

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