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今週の親仁ギャグ・2017年1月22日(日)~1月29日(土)

●今週掲載の写真について。病院の診察室におかめ(お多福)の面を掛けていますが、それは以下の新聞記事を読んだからです。昨年8月23日の日経新聞「春秋」の文章です。岩崎弥太郎(1834~1885)は明治(維新)の初年(明治4年)の廃藩置県の時)、全国の藩札を明治政府が買い上げるとの情報を後藤象二郎(1838~1897)から聞き、藩札を買い占めて大儲けをした・・・・・・松本清張(1909~1992)の「西郷札」(新潮文庫・傑作短編集三・p43)にあります。この小説は推理小説気味なのですが、清張さんは「有名な話」と書いているので本当なのでしょう。岩崎弥太郎は幕末、長崎にあった亀山社中(1865・海援隊の前身)の坂本竜馬(1835~1867)の見張り番でした。西南戦争(1877)でも官軍の兵站や軍人の輸送を一手に引き受け儲けました。。土佐・山内家の東京や大阪などの土地・建物を藩の借金共々譲られたのもその礎です。その策略も後藤象二郎が絡んでいたのです。講釈はこれくらいにして、なぜに診察室におかめがあるかについては以下の「春秋」をお読みください。
○「三菱グループ創始者の岩崎弥太郎が海運業を興してまもないころの話だ。明治7年、彼は東京の茅場町に事業の本拠を移すと、店頭に「おかめ」の面を掲げた。いつもこの面を見ることで店員も穏やかな顔つきに変わり、客に笑顔で接するようになってほしいと考えた。店員は岩崎の郷里の土佐で武士だった者が多かった。船で荷物を運んでほしいと頼みにきた客に、いかにも載せてやるといったふうの横柄な態度が目立ったらしい。腰を低く愛想良く、と言い聞かせるためのアイデアがおかめの面というわけだ。店を訪れた福沢諭吉が、「岩崎氏は商売がわかっている」と感心したという。いま岩崎が日本の接客風景を目にするなら、驚くかもしれない。一部の百貨店や金融機関などは、「何かお探しですか」「何かお困りですか」と客に話しかける人型ロボットを置いている。相手の表情や声の調子から感情を読み取って、身ぶり手ぶりで愛嬌(あいきょう)を振りまく。武士出身の店員よりよほど商人らしいと思うだろう。気がかりなのは人間が機械に取って代わられ始めたことだ。となると人は、「おもてなし」の技をもっと磨かねばなるまい。おかめの面は角度により飾り気のない笑顔にも見えれば、どこか表情が硬かったり寂しげだったりもする。どうすれば客の心に届く笑顔になるか。店員に考えさせていたなら、なかなかの仕掛けだ。」1月23日。

●(承前)猫ブームで3兆円の経済効果があるというわりには猫の飼養頭数は伸びていない・・・・・・ばかりか減っています。それにもまして、犬がこの5年間で17%も減っているのはショッキングな数字であります。歯科医師ほどではないにしても獣医師の数も増加の一方です。一昔は、世襲政治家を悪く言えない程、子供を獣医師にする輩も少なくありませんでしたが、このところ、子供が獣医師になっても後を継がず、公務員になると聞き及びますが・・・・・・(公務員にも不向きの獣医師がおりますが)。確かに小動物の開業はその高度化と飼い主の要望の強さなどから、傍から見るほど容易ではありません。愛情だけではすまされません。日々の緊張と切迫に心身が追っつかず病んでしまう獣医師も少なくありません。強靭な精神と学究心はもとより、迅速な調査力や的確な判断力が欠かせません。我々獣医開業業界にとっても正念場襲来ということです。今や、スタッフの数を揃えれば、診察時間を増やせば・・・・・・という時代は終わりつつあるということでしょう。飼い主の要望を柔軟に受け止め、医療技術とスタッフの質、プラス設備の充実に努めなくては生き残れない時代が到来しているのです。つづく。1月22日。

●分かっちゃいますが多少ショッキングなデータが公表されました。先ずは17日付の毎日新聞電子版(朝刊記事は19日付)から。「一般社団法人ペットフード協会は17日、2016年の犬と猫の飼育実態調査の結果を公表した。犬の飼育数が猫をわずかに上回った。猫ブームでそろそろ犬の飼育数を超えるのでは、と期待されたが逆転を許さなかった。全国の推計飼育数は、犬が約987万8000匹(前年比約3万9000匹減)猫が約984万7000匹(同約2万7000匹減)。かつては犬が圧倒的に多かったが、差は年々縮まっている。犬は11年に比べると17%も減った。猫はほぼ横ばいのまま推移している。 ペットフード協会の石山恒会長は『1人暮らし世帯が増える中で、犬は散歩、トイレや鳴き声のしつけといった飼いづらさが猫よりはある。世界的な流れとして、女性の社会進出が進むにつれ猫の飼育数が増える傾向を示す調査もある』と話す。 調査は、ペットフード協会が昨年9月にインターネットで犬と猫の飼育状況のサンプルを5万人分集め、総務省発表の世帯数から飼育数を推計した。」。
 次いで読売新聞電子版より。「国内の飼育数は、昨年10月現在で犬987万8000匹、猫984万7000匹(いずれも推計)で、犬が猫を約3万匹上回り、犬が1994年の調査開始以来の上位を辛くも守った。調査は、全国の20~60歳代の約5万人から、インターネットを通じて回答を得た。飼育数は、1世帯当たりの平均飼育数に全国の世帯数を乗じて、推計値を算出した。年別の飼育数の変化で見ると、ここ10年で猫は横ばいに近いのに対し、犬は2008年のピーク時の4分の3に減った。世帯の高齢化や共働きの増加などライフスタイルの変化によって、世話が大変だったりほえたりする大型犬が減る一方、チワワやトイプードルなどの小型犬は増える傾向にあるという。」つづく。1月22日。

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