●ひとりやふたりは造反してもよさそうな。永田町1丁目1番地界隈では石破茂曰「デモテロ」で賑っているようだ。マスコミの完敗だといいながら、テレビの無い家でもNHK受信料徴収と喚きながら・・・国営放送は参議院の「特定秘密保護法案採決」を中継しない。がしかし、日テレNEWS24は生中継。寒中の深夜、真面目な市民が国会議事堂前に集結布陣しての法案成立の反対デモなのに、「知る権利」の崩壊と銘打って徹底抗戦の旌旗を掲げていた筈の連中が何と参院通過の時間帯にバラエティー番組を堂々と放映するのもどうやら・・・。大黒字の放送局各社も背に腹は代えられぬようじゃ、有言不実行も甚だしい破廉恥なこった。そもそも当然ながら今までも機密はあった筈で、その数は40万とも50万件とも言われている。機密の対象は防衛、外交、スパイ活動、テロ防止などの4分野で、前2者は防衛省と外務省の担当で、後2者は公安警察の部署範疇という。それに曲者は「その他」を意味する「など」の領域だ。具体例はいろいろと挙げられているが、どうも暗愚の者にはピンとこない。このピンとしないのが怪しいのだ。戦争を経験した人たちは「秘密警察」を引証して警告してきた。公安警察が秘密裡に有ること無いこと、それに取るに足らない公的にはどうでも良い個人のプライバシーまでも探遊することだってありうる。(今も多少はそんな助兵衛心に卓越した者も暗躍しているだろうが・・・)。純情な人も迂愚な人も篤実な人もインテリもノンポリも・・・誰だって狙われる可能性があるのだ。それに公開年限が決められていないだけでも「天下の悪法」である。少なくとも機密と見なした責任者が存生のうちに世に曝され審判評価されなくては納得できぬ。法案は「事案によっては公開前に破棄できる」というから「恐怖政治」のはじまりだ。※過去の日本での「秘密警察」に類するものは、時代順に「京都見廻組」、「新選組」、「特別高等警察」、「公安警察」、「公安調査庁」。つづく。12月6日。
●親仁は政治評論家でも軍事評論家でもない。が、天性の旋毛(つむじ)曲りの性根からか、暇にまかせて口を挟みたくなる。「千年罪人」の中国の防空識別圏は日本の尖閣を意識しているのであろうが、果たしてそれだけであろうか。そもそもアメリカの防空識別圏の700kmがどのような経緯と根拠で決定されているのであろうか。9.11以後に設定されたのかそうでないのかも知らないが、空や海からのテロを警戒しての処置ではないのか、などと詮索したくなる。北京をはじめ中国の大都市はどちらかと言えば東シナの海寄りに位置する。レーダー探知が御粗末な御国柄、もしも・・・と考えたらゾッとしないか。戦闘機の速さからしたら北京なんてアッと言う間だろう。どこかの国のキャピタルトップの”借金釈明会見”ではないが、(貸し手=徳田毅議員の名前が署名でなくて活字という御粗末ぶり)、(北朝鮮に次ぐオモロ過ぎる報道官を拝見するのは、怒りを通り越して最近は癒しでもあるが・・・)、「千年罪人」の国が何を言おうと信用に足りないが・・・どうしたものやら。※戦闘機の速度でマッハ(Mach=物理学者Ernst Machに由来)とは、「気温 15℃、1気圧 (1,013 hPa) の空気中(国際標準大気 (ISA) 海面上気温)での音速は約 340 m/s ( = 1,224 km/h)となる。物体の速度を、音速の何倍であるかで表した「マッハ○○」という表現が用いる。」。例えばF-15(イーグル)の最大速度はマッハ約2.5だから、上の条件下では3,060km/hとなる。アメリカの一番遠距離の防空識別圏は700kmなのでイーグルだと約35分で到達できるが、相手側も同速度で接近すれば計算上17分強で相見(まみ)える。実際のスクランブルの場合は離陸するまでと離陸後最高速度に達するまでの時間があるから、相当の時間的余裕がないと攻撃されうる。12月3日。
●韓国も防空識別圏を一方的に拡大か。そもそも防空識別圏とはなんぞや。11月24日の読売新聞の1面に「領空侵犯に素早く対応するため、各国が領空(海岸線から22kmの領海と領土の上部の空間)の外側に設定している空域。事前通報のない他国の航空機が無断で侵入した場合は、緊急発進(スクランブル)の対象となる。国際法上は根拠となる規範はなく、各国がそれぞれの法令や規則で定めている。米国が設定する同圏には、領空から700km超の地点も含まれ、世界で最も広いと言われる。」とある。そうか、他国の領海(22km)の外ならどんな線引をしても他国がとやかく言う筋合いのものでない・・・ということか。東シナ海なら早く引いたもの勝ちってことか。否、後出しジャンケンもOKか。アメリカの線引が700km(ハワイや西海岸の西の太平洋のことか)もあるのなら、アメリカには中国を含めて他国の決めた防空識別圏に反対する資格がないということか。まあそれにしても、東シナ海や南シナ海など利害の錯綜した国の間では事前協議をするなどの良識ってものがあるだろう、ってことだな。そもそも中国のレーダーというのは相当に御粗末らしい。スクランブルを1度もかけたこともないという。今回の設定は、裏を返せば、中国のレーダー性能が上がったということか。司馬遼太郎の「関ヶ原」(下巻p11)に、家康は会津の上杉景勝攻めに向って小山まで侵攻中、石田三成の挙兵の報で一転、江戸城に帰城して北方の様子をうかがいながら、本多正信に発した「世に阿呆と逆上(のぼ)せ者ほどこわいものはない」(家康は阿呆の景勝と逆上者の直江兼継とが佐竹や伊達政宗と組んで南下し三成との挟み撃ちを警戒した)の言。中国の主張なら、「かつては満州も台湾も日本の領土(帰属)だったから日本に返してくれ」というのが罷り通る、ってことだ。そんな馬鹿な、そんあ阿保な。※戦前日本が建国支配した「満州」とは今の「黒竜江省・吉林省・遼寧省」をいう。12月2日。
●「中韓との百年戦争にそなえよ」は文芸春秋10月号の背文字。北村稔氏(立命館大学)の弁は「中国人の研究者、林思雲によれば、西洋的な考えだと罪は洗い流せるけれども、中国では永遠に残る。中国には『千古罪人』という言い方がありますが、つまり千年後でも人の罪は洗い清めることができないという意味だそうで、死者の罪まで追求する。この考え方では、日本は永遠に謝り続けなくてはならない。」、続けて古田博司氏(筑波大学)は「朴槿恵大統領は『加害者と被害者の歴史は千年変らない』と言っていますね。だから中韓との歴史問題には終りがないのです。」と語る。1894年の日清戦争、1904年の日露戦争、1910年の韓国(朝鮮)併合条約の強要、そして1931年からの太平洋戦争終結までの十五年戦争。約130年にわたる3国の確執。攻められた方と攻めた方、侵略された方と侵略した方の思い、執念、怨念の温度差か、儒教と仏教との観念の相違か・・・。信念思想の違いをお互い理解しないとそれこそ「千年戦争」で将来何十代も禍根を残すこととなる。教科書問題協議が始まろうとした矢先の様ざまな問題。3国の財界も堪忍袋の緒が切れそう。安倍ちゃんの中韓包囲網外交もここまで拗(こじ)れたら、もう限界だろう。がしかし、領土問題は譲れない。中韓ともテロや経済低迷で底深い苦悩のど真ん中。日本は内需を増長していま暫しの忍耐しかないか。12月1日。